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キャスト&スタッフ ●監督コメント
 1955年のニューヨーク。精神分析医のパール(アラン・アーキン)の診察室に、ひとりの患者がやってきた。彼ニック・ペンローズ(ロバート・ダウニー・Jr.)は、広告のクリエーター。サムソンの目覚まし時計に関する新しいコンセプトをひねりださなくてはならないという仕事のプレッシャーに加え、奇妙な夢に悩まされ続けているという彼は、せかせかと部屋を歩き回りながら、「いますぐ、夢の答えがほしい」と、パールにせまった。毎晩見るその夢のせいで、妻が泣き出してしまったからだという。

 とりあえず、ペンローズをカウチに落ち着かせたパールは、夢の出来事を最初から語るようにペンローズを促した。それは、こんな夢だった。とても魅力的な女(エル・キーツ)が、バスルームでバスタブにつかっている。電話のベルが鳴るが、彼女は電話に気づかない。やがて風呂からあがった彼女は、メイクをし、身支度を整え、バッグをつかむと、ベッドの中のペンローズにキスをして出て行く。ペンローズは、電話に出なければと思うが……。

「そこで必ず目が覚める」というペンローズの夢は、かなりディテールのはっきりしたものだったが、なぜかペンローズは、顔見知りであるはずのバスルームの女が誰なのかを思い出せず、苛立っていたのだ。

 そんなペンローズの告白を、心ここにあらずの面持ちで聞いているパール。ペンローズが目を閉じてカウチに横たわっているのをいいことに、窓の外にいる誰かの気を引くことにやっきになっている彼は、カルテで紙飛行機を折りながら、夢の世界に身を置いているペンローズに、「彼女のバッグを取りに行け」と呼びかける。「できない!」と言って、跳ね起きるペンローズ。それを無理矢理押しとどめたパールは、ペンローズが再びカウチに横たわるのを待ってから、「夢の中でいちばん好きなパートはどこか?」と、たずねた。「彼女が電話に出ないところだ」と、答えるペンローズ。それを聞いたパールは言う。「その電話は、外界からの遮断を意味しているのです。目覚まし時計のように。夢の中で、彼女は電話に出ない。彼女は、その瞬間を味わっているのです」

 しばらくそのパールの言葉を反芻しながら、自分自身の朝の日課について話していたペンローズは、突如、ものすごいアイデアを思いつく。目覚まし時計が鳴ってもあと数分眠っていたい自分のような人間のために、いったん鳴りやんだあと、数分後に再び鳴り始める目覚まし時計があったら、どんなにいいだろうか、と。

「そういうの、欲しくないですか?」というペンローズの問いかけに、「欲しい」と答えるパール。だが、実のところ、彼は、ボディ・ランゲージでコンタクトをとることに成功した窓の外の人間とのデートのことで頭がいっぱいで、気もそぞろだった。

「だいぶ気分が良くなったが、もう少し休んで行きたい」と言うペンローズに、カウチに横になるようにすすめると、パールはそそくさと診察室を出て行った。ひとり残されたペンローズは、再び夢の世界に落ちていく。そこで彼が見た、夢の女の正体とは……?


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