真夏のイタリア、トスカーナ地方。40代のアメリカ人男性クリストファー(クリストファー・ブッフホルツ)と、イタリア人の妻クロエ(レジーナ・ネムニ)は、お互いの関係が行き詰まっていることに気づいていた。「なぜ、あなたは終わっていることを認めようとしないの?」と、クリストファーを詰問するクロエ。
スポーツ・カーに乗ってドライブに出かけたふたりは、セイレーンのような少女たちが滝で沐浴を楽しんでいる美しい渓谷に立ち寄る。「こんなところがあったなんて」と、景色に目を奪われるクリストファーを、クロエは、「注意を払わないからよ」と冷たくあしらった。
何を見ても、何をしても、噛み合わないふたり。無言で昼食を取った後、森を抜け、うち捨てられた桟橋までやって来た彼らは、激しい口論を繰り返す。クロエは、クリストファーを残してその場を去った。
ひとり残されたクリストファーは、昼食のとき、レストランで見かけた若い女性(ルイザ・ラニエリ)を訪ねて、浜辺の塔へやって来る。女は、クリストファーを塔の中に招き入れると、彼をルーフ・テラスまで案内し、自分は部屋に戻って全裸でベッドに身を横たえた。そこへ、クリストファーが入ってくる。「私もここに寝たらどうなるんだ?」という彼の問いかけに、「私の名前を教えてあげる」と答える女。
翌朝、塔を去ろうとするクリストファーに、女は告げる。「私の名前はリンダよ」。
季節はめぐり、晩秋。クロエは、馬たちが跳ね回る草原へドライブに出かけた。彼女の携帯電話に、パリにいるクリストファーから電話がかかってくる。「こっちは雪が降っている」という彼の言葉に、「ここも雪になればいいのに」と応じるクロエ。相手の顔が見えない分、今日の彼女は、素直に自分の気持を口にすることができる。「私の愛は終わっていない。あなたの態度次第よ」。だが、クリストファーからの明確な答えは得られない。
そのころ、浜辺には、着ているものをすべて脱ぎ捨て、楽しげに、自由奔放に踊るリンダの姿があった。しばらく水とたわむれた後、浜辺に仰向けに横たわるリンダ。
同じ浜辺に、クロエもやって来る。彼女は、まるでリンダがしていたことを見ていたかのように、着ていた服を脱ぎ捨てると、水の中で優美に踊った。それから、彼女はリンダの元へ歩み寄る。ふたりの影がひとつに重なったとき、クロエを見上げたリンダの顔には、微笑みが浮かんでいた。